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独学の思考法

なんともなしに本屋を散策していたら目に入ってきた本。とても理路整然と書かれていて読み易いし理解がし易い。
著者の経験として、多読をしていて積み上がっていく本の山に喜びを覚えていた頃、友人から本の内容について「なぜ」と問いかけられた時に自分の頭で考えられていない自分にショックを受けた、というのが原体験として紹介されている。
そしてそれを補強するように、哲学者ショーペンハウアーの言葉が紹介されているのだ。
曰く、“読書は自分の頭で考えるのではなく、他人の頭で考えをなぞっているだけだ” といったことが著書に書かれており、それが「自分のことだ」と感じられたそうだ。

そんなことが書かれているショーペンハウアーの「読書について」という著書は私も持っていて昔読んだし、同じ感想を抱いた。
そうか読書というのは自分の頭で考える機会を奪うようなものなのか…。そんなことを思う一方で、先人の知恵を学ぶ利点もあるのだから、上手い付き合いを見つけるしかない。
とか言いながら、読んだ本の内容は大体忘れる事が多いので、結局のところ自分で考えたものでないと後に残らないのだ。
その意味で、私自身はまだまだ本当の意味で、読書と共に「自分の頭で考える」ということが出来ていないのだなぁと痛感する。

ではどうやれば「自分の頭で考える」ことができるのだろう。もっと言えば、「考える」ということはどういうことなのだろうか。

そこで、「考える」ということを分解し、整理して組み立てて提示してくれているのが本書だ。
どのように組み立てられたかというと、著者の述べる “独学の思考法” として、本書が提示する体系は以下のようになっている。

第一部・原理編 [自ら思考する力]

  • Step1:問を立てる力
  • Step2:文節する力 / 要約する力 / 論証する力
  • Step3:物語化する力

第二部・応用編 [対話的思考]

  • Step1:「問い」によって他者に寄り添う
  • Step2:「チャリタブル・リーディング」を実践する
  • Step3: 他者に合わせた「イメージを用いる」

自分の考えを持つということのスタート地点、その構造化、伝えること、そして対話とコミュニケーションの手法。
こうしたことをそれぞれ解説してくれている。

読んで終わり、という事が多いが、この本は「読んで、使う」本にもなっている。というか、本書で紹介されている内容を実践してみることで、はじめて「この本を読んだ」ことになるのだ。

この本が面白いことの一つに、コーチングの考え方に通じるポイントがあることだ。
問いを立てることであったり、自分自身の思考の限界であったり、対話により視点や思考の補強、などなど。
まあ頭の使い方、という切り口では分け隔てられるものではないから、共通しているのだよね。

何はともあれ、まずは実践だ。

自分の思考に向き合おう

日々忙しく過ごしていると、なかなか自分のことや今後のことを考える時間が持てない。そんなことありませんか?
あるいは、一人で悩んでいて、なかなか人には相談できない。
もし、そんな状況にあるのなら、ちょっとだけ立ち止まって考える時間を作ってみませんか。
なかなか人に言えない悩みがあるなら、まずは言葉にしてみませんか。
そのお手伝をします。対話の中から発見や納得が生まれることもあるんです。
立ち止まって、自分の思考に向き合ってみると、何かが見えてくるかもしれません。

一緒にその時間を作って見ませんか?

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